Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/infocorpus/sensorcorpus.com/public_html/wp-content/themes/infocorpus/single-news.php on line 115

第2回:IoTと宇宙

IoTという言葉を聞かれた方も多いだろう。IoTとは何か。様々な企業がこの言葉を何気なしに使用している。まず、世間で考えられているIoTについて述べてみたい。
 
現在、IoTという言葉が浸透していろんな場面で利用されている。私は、その意味は二つに分かれていると考えている。一つ目は、様々なモノにセンサーをつけて、そのセンサーから取得する情報をサービスとして提供しているシステム、二つ目は、製造現場の改善を目的としたセンサー情報の活用、である。これらはIoTという一つの言葉でまとめて表現されるが、用途や目的が異なる場合において実際にはかなり異なったシステムとなる。IoTを事業として掲げている企業は、特定の分野におけるソリューションを提供している場合が多い。IoT全体を事業として行っている企業は少ない。
 
何故、IoT全体を事業とすることができないか。私はIoTに対する考え方や技術が統一されていないからだと思う。従来のITの延長として捉えている限りにおいてIoTという言葉はあまり意味をもたない。つまり、バズワードとしてしか価値がない、ということになる。
それではIoTという言葉は、何の意味を持つのだろうか。モノのインターネットと言われているが、何を意味するのだろうか。
まず、今までのITを考えてみよう。IT(=Information Technology)とは何か。情報技術、というのが直訳である。情報を利用する技術、情報を管理する技術、いずれにしても情報にまつわる技術であることは間違えなさそうだ。そうすると、扱う情報とはどのようなものか、ということになる。すべての情報というと、もうわけがわからなくなる。具体的に考えれば、コンピュータなどの電子的に保管されている技術、ということになる。もともとコンピュータは、”compute”つまり「計算する」という意味からの派生だが、実際に計算する基本的な技術というのは実はかなり古くから研究されてきた。今だと計算に限定してしまえば計算機が相当する。しかしながら、情報は計算とは違う。情報は数学ではない。情報は人に近い。”inform”が「知らせる」という動詞であるところから、人に伝えることを前提とした何か、なのだ。したがって、それは当然、人に役に立つモノ、人に関するモノが主流になっていく。つまり人が介在することが前提となっているのだ。「モノ」と表現したが、その実体は何か。文字通りの「物」ではなく、「モノ」は何かしらの表現方法としての実体が必要である。コンピュータでは、特にその実体として「データ」と呼ばれる文字、数字、画像、音声、動画などのパターンとして保存され、2進数と呼ばれるオンオフの膨大なパターンとして表現されている。
そして、コンピュータの発達ともに扱う情報の量は膨大になっていく。それはコンピュータが扱うデータ量が増加していることを意味する。コンピュータは、人間に役に立つ情報から、役に立つかどうか分からないようなつまらない独り言や雑談まで、人間に関するさまざまな情報を蓄積してきたのだ。コンピュータが非常に高価だった頃に、コンピュータでつぶやき(twitter)のような情報を将来可視化することを予想した人がいただろうか。情報の価値が大衆化したことで、扱う情報の量は今後ますます増えていく。そこには、個人の情報も当然のごとく収集されている。
話は変わり、人と自然が対比されるように、人の情報とは別の、自然の情報の重要性も増している。気象情報はその最たるもので、誰でもその必要性を見いだせる。しかしながら、気象情報一つとっても、実はまだまだ足りない。例えば、家の周りの温度や湿度を把握しているだろうか。アナログの温度計で測ればいいのかもしれないが、それは情報ではなくただの測定である。
 
ここで、初めてIoTという言葉に出会う。もっともっと、データ化しなければいけないものがあるのではないか。膨大な対象に関する情報、それを活用することで我々はもっともっと便利になるのではないか、という仮説である。
 
IoTは、この膨大な未知の情報に対するフラグシップの言葉ではないだろうか。大げさだって?そう、大げさなのかもしれない。IoTに関していえば、それはもう人間とは関係ない情報を含むということだ。言い方を変えれば、宇宙の情報、神の情報をすべて含むということだ。神の話は置いておいて、宇宙ということになれば、それを扱う学問は物理学である。つまりIoTは物理学の情報なのだ。すべての物理現象が情報として記録することが究極的なIoTということになる。現実的な不可能であるが、宇宙自身がこれらの情報を保有していることを考えれば、宇宙自身がIoTを管理していることになる。