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第7回:デジタルツインの本質

最近、デジタルツインという言葉が流行っている。外資系IT会社に勤めたことがある私にとって、海外から来た言葉は胡散臭く感じるのだが、皆さんは如何だろうか。
 
昭和のおじさんにとってデジタルという言葉は古臭い。最初に登場したデジタルといえばデジタルウォッチだ。時刻を数字で現す時計をデジタルウォッチとして従来のアナログと区別した。
 
私は理系なのでデジタルという言葉を定義したいのだが、どうもしっくりしない。自分なりに改めて考えてみた。そもそも自然界に存在する物理量は完全に割り切れる量として存在しない。例えば正確に100mlの水を測ろうとしても完全に100mlにはならないのは誰でもわかる。つまりデジタルデータと同じ量は自然界には存在しないのだ。ではなぜデジタルが必要かといえば、人間が理解する上でわかりやすいからだ。だいたい100mlとして換算することでその量を理解できる。円周率を3.14とすることと同じなのである。
 
物理量をデジタル化するメリットはそれだけではない。デジタルにすることでコンピュータが扱うことができ演算ができる。AIで使われる機械学習も演算であるからAI化するときにもデジタル化は必要だ。実際に機械学習は行列演算と偏微分を行ない最小値に該当するパラメータの値を求めることで学習する。
 
IoTの世界ではデータは物理量がほとんどである。温度、湿度、気圧、流量、振動数など、理系の人間に限らず物理の時間で必ず習う物理量である。それらは単位が定義されている。(ちなみに単位は、基本単位を組み合わせることで様々な単位を定義できる。)
 
単位が定義されたことで我々は物理現象を捉えることができる。車の運転で使われる時速何kmという単位はkmを時間で割った単位としてkm/hという記号が使われる。これにより人間は速度を見える化できるのだ。物理量を演算することで新たな物理量を作り、そこで新たな単位を定義することで人間が理解しやすくしているのだ。
 
長々と書いたが、デジタルというのはコンピュータが演算する目的として、また人間が理解するために物理量などをわかりやすい数字のデータとして表現することを目的として登場した。
 
デジタルツインとは、それをツイン、つまり全く同じデジタルデータを二つ用意することだ。何故ツインなのかという問いは簡単だ。先ほども述べたように、デジタル化はコンピュータ演算する目的と人間が理解する目的がある。この二つを同時に行うことが従来はコンピュータでは性能が悪くできなかった。しかし、現在はコンピュータの性能が高い。つまり二つの目的を同時に行うことができるようになったのだ。コンピュータが演算することで最適な制御やAIデータとしての機械学習が行うことができる。それと同時に人間が理解できるようにデジタルデータを使ったシミュレーションデータとして可視化できるのだ。この二つの目的を同時に満たすために全く同じデジタルデータを二つ用意することなのだ。
 
この二つを同時に行うことで、IoTをするメリットは加速される。IoTとはデジタルツインを行うためのインフラということにもなる。弊社のユニバーサルプラットフォームSensorCorpusはすでにデジタルツインが行えるための機能を含んでいる。最後にそれを解説して終わりたい。
 
それは従来仮想センサーと呼ばれた機能である。現在ではリアルタイム演算処理(加工機能)と呼ばれる機能である。
この機能は4つに分かれる。
 
1. 一つのデータを複数に分割する
2. 複数のデータを一つに統合する
3. データをリアルタイムに演算して新たなデータを作成する
4.データの集計を行う
 
1.の機能によってデジタルツインのデータを生成することができる。加えて3.によってデータを人間が理解しやすいデータとして変換して見える化できるのだ。
 
※詳細はこちらのリンクからリアルタイム加工機能をご参照ください。